2009年10月26日月曜日

Nr.68 「冬の嵐が Winterstürme wichen 」(楽劇『ワルキューレ』第1幕から)


●解説●
フンディングに眠り薬を飲ませて、広間で抱擁するジークムントとジークリンデ。風で開いた扉に驚くジークリンデに「春が忍び寄ったのだ」とジークムントが歌う。

●難易度●

 

ヴィンターシュトゥルメ ヴィッヒェン
デム ヴォンネモント
イン ミルデム リヒテ
ロイヒテット デア レンツ
アオフ リンデン リュフテン
ライヒト ウント リープリッヒ
ヴンダー ヴェーベント エーア ズィヒ ヴィークト
ドゥルヒ ヴァルト ウント アオエン
ヴェート ザイン アーテム
ヴァイト ゲエフネット ラフト ザイン アオグ
アオス ゼルガー フェークライン ザンゲ
ズュース エーア テーント
ホルデ ドュフト ハオフト エーア アオス
ザイネム ヴァルメン ブルート エントブリューヘン
ヴォニゲ ブルーメン
カイム ウント シュプロス エントスプリングト
ザイナー クラフト
ミット ツァールター ヴァッフェン ツィアー
ベツヴィングト エーア ディー ヴェルト
ヴィンター ウント シュトゥルム ヴィッヒェン
デア シュタルケン ヴェーア
ヴォール ムステ デン タプフェルン シュトライヒェン
ディー シュトレンゲ テューレ アオフ ヴァイヒェン
ディー トロツィッヒ ウント シュタル ウンス トレンテ
フォン イーム
ツー ザイナー シュヴェスター
シュヴァング エーア ズィヒ ヘーア
ディー リーベ ロックテ デン レンツ
イン ウンスレム ブーゼン
バルク ズィー ズィヒ ティーフ
ヌーン ラハト ズィー ゼーリヒ デム リヒト

ディー ブロイトリッヒェ シュヴェスター ベフライテ
デーア ブルーダー
ツェアトリュンメアト リークト
ヴァス イエー ズィー ゲトレント
ヤオフツェント グリュースト ズィヒ
ダス ユング パール
フェライント ズィント リーベ ウント レンツ

●日本語訳●
冬の嵐が喜びの月影を避けていき、
和やかな光の中に春が輝いている。
柔らかなそよ風に乗って、
優しく愛らしく、奇跡を紡ぎながら春は揺らいでいる。
森にも野にも、春の息吹きは通い、
大きく開いて春の目は微笑みかける。
幸せな小鳥の歌の中から春は優しく響き出て、
快い香りをあたりに通わせる。
春の暖かい血潮からは楽しい花が咲き出で、
春の力強さからは、若い芽や枝が萌え出る。
華やいだ、優しい武器をもって
春は世界を征服する。
もう冬や嵐はこの強い武器を逃れていった。
春の手で勇ましく打ちかかられては、
これまでしぶとく意地を張って、われわれを春から分かち隔てていた厳重な戸も
退却せざるをえなかったらしい。

●ヒアリングに使用したCD●
楽劇『ワルキューレ』全曲(カール・ベーム指揮/バイロイト祝祭管弦楽団)
 



2009年10月19日月曜日

Nr.67 「女は15にもなったら Una donna a quindici anni」(歌劇『コシ・ファン・トゥッテ』第2幕から)


●解説●
小間使いのデスピーナが初心な姉妹にあきれ、男心を誘惑する術を授ける。

●難易度●

 

ウナ ドンナ ア クインディチ アンニ
デエ サペル オンニ グラン モーダ
ドヴェ イル ディアーヴォロ ア ラ コーダ
コザ エ ベーネ エ マル コゼ
デエ サペル レ マリツィエッテ
ケ インナモラーノ リ アマンティ
フィンジェル リーゾ フィンジェル ピアンティ
インヴェンタル イ ベイ ペルケ
フィンジェル リーゾ フィンジェル ピアンティ
インヴェンタル イ ベイ ペルケ

デエ イン ウン モメント
ダール レッタ ア チェント
コッレ プピッレ
パルラル コン ミッレ

ダル スペーメ ア トゥッティ
スィエン ベッリ オ ブルッティ
サペル ナスコンデルスィ
センツァ コンフォンデルスィ
センツァ アッロッスィーレ
サペル メンティーレ
サペル メンティーレ

エ クアル レジーナ
コル ポッソ エ ヴォッリオ
コル ポッソ エ ヴォッリオ
ファルスィ ウッビディル
エ クアル レジーナ
コル ポッソ エ ヴォッリオ
ファルスィ ウッビディル
パール カッビアン グスト
ディ タル ドットリナ
ヴィヴァ デスピーナ
ケ サ セルヴィル
ケ サ セルヴィル

デエ イン ウン モメント
ダール レッタ ア チェント
コッレ プピッレ
パルラル コン ミッレ

ダル スペーメ ア トゥッティ
スィエン ベッリ オ ブルッティ
サペル ナスコンデルスィ
センツァ コンフォンデルスィ
センツァ アッロッスィーレ
サペル メンティーレ
サペル メンティーレ
エ クアル レジーナ
ダッラルト ソッリオ
コル ポッソ エ ヴォッリオ
ファルスィ ウッビディル
エ クアル レジーナ
コル ポッソ エ ヴォッリオ
ファルスィ ウッビディル
エ クアル レジーナ
ダッラルト ソッリオ
コル ポッソ エ ヴォッリオ
コル ポッソ エ ヴォッリオ
コル ポッソ エ ヴォッリオ
ファルスィ ウッビディル
ファルスィ ウッビディル
ファルスィ ウッビディル

パール カッビアン グスト
ディ タル ドットリナ
ヴィヴァ デスピーナ
ケ サ セルヴィル
ヴィヴァ デスピーナ
ケ サ セルヴィル
ヴィヴァ デスピーナ
ケ サ セルヴィル
ケ サ セルヴィル
ケ サ セルヴィル


●原語歌詞●
Una donna a quindici anni
Dèe saper ogni gran moda,
Dove il diavolo ha la coda,
Cosa è bene e mal cos'è.
Dèe saper le maliziette
Che innamorano gli amanti,
Finger riso, finger pianti,
Inventar i bei perché.
Finger riso, finger pianti,
Inventar i bei perché.

Dèe in un momento
Dar retta a cento;
Colle pupille
Parlar con mille;

Dar speme a tutti,
Sien belli o brutti;
Saper nascondersi
Senza confondersi;
Senza arrossire
Saper mentire;
Saper mentire;

E, qual regina
Col «posso e voglio»
Col «posso e voglio»
Farsi ubbidir.
 
E, qual regina
Col «posso e voglio»
Farsi ubbidir.
Par ch'abbian gusto
Di tal dottrina.
Viva Despina
Che sa servir !
Che sa servir !

Dèe in un momento
Dar retta a cento;
Colle pupille
Parlar con mille;

Dar speme a tutti,
Sien belli o brutti;
Saper nascondersi
Senza confondersi;
Senza arrossire
Saper mentire;
Saper mentire;
E, qual regina
Dall'alto soglio,
Col «posso e voglio»
Farsi ubbidir.
E, qual regina
Col «posso e voglio»
Farsi ubbidir.
E, qual regina
Dall'alto soglio,
Col «posso e voglio»
Col «posso e voglio»
Col «posso e voglio»

Farsi ubbidir.
Farsi ubbidir.
Farsi ubbidir.

Par ch'abbian gusto
Di tal dottrina.
Viva Despina
Che sa server !
Viva Despina
Che sa server !
Viva Despina
Che sa server !
Che sa server !
Che sa server !


●日本語訳●
女は15にもなったら世の中のことは一通り知らなくては、
悪魔の尻尾はどこに付いているか、良いことと悪いことの見境い、
恋人たちに恋心を起こさせる手管も知らなくては。
作り笑い、ウソ泣きができなくては。

瞬時に100人の男に気を配り、
目つき一つで1000人の男に意を伝える。

美男だろうと醜男だろうと、すべての男に気を持たせ、
慌てずに自分を隠しとおし、
赤らまずにウソがつけなくては。

玉座の上の女王のように「私の思いのままに」と言って、
男を尻に敷かなくては。

女王のように「私の思いのままに」と言って、
男を尻に敷かなくては。

瞬時に100人の男に気を配り、
目つき一つで1000人の男に意を伝える。

美男だろうと醜男だろうとすべての男に気を持たせ、
慌てずに自分を隠しとおし、
赤らまずにウソがつけなくては。
玉座の上の女王のように「私の思いのままに」と言って、
男を尻に敷かなくては。

私のモットーが気にいったらしいわ。
さすがはデスピーナ、うまくあやしたこと。

●ヒアリングに使用したCD●
歌劇『コシ・ファン・トゥッテ』全曲(リッカルド・ムーティ指揮/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団)




2009年10月13日火曜日

Nr.66 「5月の、ある晴れた日のように Come un bel di maggio 」(歌劇『アンドレア・シェニエ』第4幕から)


●解説●
サン・ラザール監獄で死刑の執行前にシェニエが辞世の詩を歌う。

●難易度●



コメ ウン ベル ディ マッジョ
ケ コン バーチョ ディ ヴェント
エ カレッツァ ディ ラッジョ
スィ スペンニェ インフィルマメント
コル バーチョ イオ ドゥナ リーマ
カレッツァ ディ ポエスィア サルゴ レストレーマ チーマ
デ レシステンツァ ミア
ラ スフェラ ケ カンミナ
ペル オンニ ウマナ ソルテ エッコ ジャ ミ アッヴィチーナ
アローラ デッラ モルテ
エ フォルセ プリア ケ ルルティマ
ミア ストロフェ スィア フィニータ
マヌンチェーラ イル カルネフィーチェ
ラ フィーネ デッラ ヴィータ
スィア ストロフェ ウルティマ デア
アンコル ドーナ アル トゥオ ポエタ ラ ズフォルゴランテ イデア
ラ フィアンマ コンスエタ
イオ ア テ メントレ トゥ ヴィヴィダ
ア メ ズゴルギ ダル クオーレ
ダーロ ペル リーマ イル バーチョ
ウルティモ ディ キ ムオーレ
キ ムオーレ

●日本語訳●
5月の、ある晴れた日にように
微風の接吻を受け、
光の愛撫を受けて
大空に消え去るように、
韻律の接吻と
詩情の愛撫を受けて
私は、私の生涯の
至高の頂きに昇る。
人それぞれの運命に添って巡りゆく車輪は
まさに既に私を死のときへと近づけ、
おそらく私の詩の
最後の一節を綴り終わる前に
死刑執行人は私に告知するだろう、
生命の終わりを。
詩よ、最高の女神よ、
ここで今、一度、あなたの愛する詩人に
心象の閃きを与え
常のごとき炎を燃え上がらせたまへ。
あなたが心の中にはつらつと姿を現したもう間に、
私はあなたに韻律をもって捧げましょう。
死にゆく者の凍りつく吐息を。


●ヒアリングに使用したCD●
歌劇『アンドレア・シェニエ』全曲(パタネ指揮/ハンガリー国立交響楽団)



2009年10月5日月曜日

Nr.65 「プロヴァンスの海 Di Provenza il mar」(歌劇『椿姫』第2幕から)


●解説●
ヴィオレッタとの別離の手紙を読んで、怒り悲しむアルフレード。それを父のジェルモンが故郷や家族のことを語って慰める。

●難易度●

 

ディ プロヴェンツァ イル マル イル スオル
キ ダル コル ティ カンチェッロ?
キ ダル コル ティ カンチェッロ?
ディ プロヴェンツァ イル マル イル スオル
アル ナティーオ フルジェンテ ソル
クアル デスティーノ ティ フロ?
クアル デスティーノ ティ フロ?
アル ナティーオ フルジェンテ ソル
オー ラムメンタ プル ネル ドゥオル
キヴィ ジョイア ア テ ブリッロ
エ ケ パーチェ コラ ソル ス テ スプレンデレ アンコル プオ
エ ケ パーチェ コラ ソル ス テ スプレンデレ アンコル プオ
ディーオ ミ グイド!
ディーオ ミ グイド!
ディーオ ミ グイド!

アー!
イル トゥーオ ヴェッキオ ジェニトル トゥ ノン サイ クアント ソッフリ
トゥ ノン サイ クアント ソッフリ
イル トゥーオ ヴェッキオ ジェニトル
テ ロンターノ ディ スクワッロル イル スオ テット スィ コプリ
イル スオ テット スィ コプリ
ディ スクワッロル ディ スクワッロル
マ セ アルフィン ティ トローヴォ アンコル
セ イン メ スペーメ ノン ファッリ
セ ラ ヴォーチェ デッロノル イン テ アッピエン ノナ アンムティ
マ セ アルフィン ティ トローヴォ アンコル
セ イン メ スペーメ ノン ファッリ
ディーオ メッサウディ! ディーオ メッサウディ! 
ディーオ メッサウディ! ディーオ メッサウディ! 
マ セ アルフィン ティ トローヴォ アンコル
ティ トローヴォ アンコル
ディーオ メッサウディ! ディーオ メッサウディ! 

●日本語訳●
プロヴァンスの海、プロヴァンスの地を
だれがお前の心から忘れさせたのか?
プロヴァンスの海、プロヴァンスの地を、ふるさとの輝くばかりの太陽の魅力を
どんな運命が、お前から奪ったのか?
ふるさとの輝くばかりの太陽の魅力を
ああ、そこで喜びがお前に輝いてくれたことを悲しみの中で思い起こしてほしい。
そして、そこでは今でも平和がお前だけに輝きかけるということを。
神様が私を導いて下さったのだ!

ああ、年老いた父親がどんなに苦しんだかをお前は知っていまい。
お前から遠く離れたその家は荒れてしまったのだ。
だが、もう一度、お前に会えたし、
望みも失われたわけではなかった、
名誉の声も完全にお前から消えてしまったのでないとしたら。
神様は私のことをお聞き下さったのだ!



●ヒアリングに使用したCD●
歌劇『椿姫』全曲(ロリン・マゼール指揮ベルリン・ドイツ・オペラ管弦楽団)