2009年12月30日水曜日

Nr.76 「さらばだ、勇ましい、素晴らしい娘よ Leb' wohl, du kühnes, herrliches Kind ! 」(楽劇『ワルキューレ』第3幕から)


解説●
卑怯者の接近からブリュンヒルデを守るため、岩山を囲う炎を放つに当たり、ヴォータンが最後の別れを告げる。

●難易度●


レプ ヴォール
ドゥ キューネス ヘルリヒェス キント
ドゥ マイネス ヘルツェンス ハイリヒスター シュトルツ
レプ ヴォール レプ ヴォール レプ ヴォール

ムス イヒ ディヒ マイデン
ウント ダルフ ニヒト ミニッヒ
マイン グルース ディヒ メーア グリューセン
ゾルスト ドゥ ヌーン ニヒト メーア ネーベン
ミーア ライテン
ノホ メット バイム マール ミーア ライヒェン
ムス イヒ フェアリーレン ディヒ
ディー イヒ リーベ
ドゥ ラヘンデ ルスト マイネス アオゲス
アイン ブロイトリヘス フォイアー
ゾル ディーア ヌーン ブレンネン
ヴィー ニー アイナー ブラオト エス グブラント
フラメンデ グルート ウムグリュー デン フェルス
ミット ツェーレンデン シュレッケン
ショイヒ エス デン ツァーゲン
デア ファイゲ フリーエ ブリュンヒルデス フェルス

デン アイナー ヌーア フロイエ ディー ブラオト
デア フロイアー アルス イヒ デア ゴット

●日本語訳●
さらばだ、勇ましい素晴らしい娘よ!
私の心の聖なる誇りよ!さらばだ!

私はお前から遠ざからねばならない。
お前に愛の言葉をかけてやることも、もはや許されない。
お前は、もはや、私と並んで馬を駆ったり、祝宴のとき、私に蜜酒を注いだりすることはできない。
今、私はお前を失うよりほかないのだ、
私の目に映る、微笑ましい楽しみとして、これまで愛してきたお前を。
よし、どんな花嫁のためにも燃え立ったことのないような火をお前のために燃え立たせてやろう、
花嫁を祝う炎として。
炎々たる炎よ、岩をめぐって燃え上がれ。
焼き尽くす恐ろしさで臆病者を退けよ、
卑怯者はブリュンヒルデの岩へ近づくな!

神である私よりも自由な男だけが、将来、この花嫁を妻として求めるがよい!

●ヒアリングに使用したCD●
楽劇『ワルキューレ』全曲(カール・ベーム指揮/バイロイト祝祭管弦楽団)


2009年12月22日火曜日

Nr.75 「おいらは鳥刺し Der Vogelfänger bin ich ja」(歌劇『魔笛』第1幕から)


解説●
鳥かごを背負い、鳥の化け物のような衣装を着たパパゲーノが笛を吹きながら鳥刺しの気ままな生活を歌う。

●難易度●



デア フォーゲルフェンガー ビン イヒ ヤー
シュテーツ ルスティヒ ハイザ! ホプサッサ!
イヒ フォーゲルフェンガー ビン ベカント
バイ アルト ウント ユング イム ガンツェン ラント
ヴァイス ミット デム ロッケン ウムツーゲーン
ウント ミヒ アオフス プファイフェン ツー フェアシュテーン
ドゥルム カン イヒ フロー ウント ルスティヒ ザイン
デン アレ フォーゲル ズィント ヤー マイン

デア フォーゲルフェンガー ビン イヒ ヤー
シュテーツ ルスティヒ ハイザ! ホプサッサ!
イヒ フォーゲルフェンガー ビン ベカント
バイ アルト ウント ユング イム ガンツェン ラント
アイン ネッツ フューア メートヒェン メヒテ イヒ
イヒ フィング ズィー ドゥッツェントヴァイス フューア ミヒ
ダン シュペルテ イヒ ズィー バイ ミーア アイン
ウント アレ メートヒェン ヴァーレン マイン

ヴェン アレ メートヒェン ヴァーレン マイン
ゾー タオシュテ イヒ ブラーフ ツッカー アイン
ディー ヴェルヒェ ミーア アム リープステン ヴェール
デア ゲープ イヒ グライヒ デン ツッカー ヘーア
ウント キュッステ ズィー ミヒ ツェーアトリヒ ダン
ヴェール ズィー マイン ヴァイプ
ウント イヒ イーア マン
ズィー シュリーフ アン マイナー ザイテ アイン
イヒ ヴィークテ ヴィー アイン キント ズィー アイン

●原語歌詞●
Der Vogelfänger bin ich ja,
Stets lustig, heisa ! hopsasa !
Ich Vogelfänger bin bekannt
Bei Alt und Jung im ganzen Land.
Weiß mit dem Locken umzugeh'n,
Und mich aufs Pfeifen zu versteh'n.
Drum kann ich froh und lustig sein;
Denn alle Vögel sind ja mein.
 
Der Vogelfänger bin ich ja,
Stets lustig, heisa ! hopsasa !
Ich Vogelfänger bin bekannt
Bei Alt und Jung im ganzen Land.
Ein Netz für Mädchen möchte ich;
Ich fing' sie dutzendweis für mich.
Dann sperrte ich sie bei mir ein,
Und alle Mädchen wären mein.

Wenn alle Mädchen wären mein,
So tauschte ich brav Zucker ein:
die, welche mir am liebsten wär',
der gäb' ich gleich den Zucker her.
Und küsste sie mich zärtlich dann,
wär' sie mein Weib
und ich ihr Mann.
Sie schlief an meiner Seite ein,
ich wiegte wie ein Kind sie ein.


●日本語訳●
おいらは鳥刺し、いつも陽気だ、ハイサ、ホプササ!
おいらは、老いも若きもこの国中で知らぬ者がいない鳥刺しだ。
ワナのことなら、任せてくれ、笛もうまく吹ける。
おいらが楽しく陽気でいられるのは、鳥がみな、おいらのものだからさ。

おいらは鳥刺し、
いつも陽気だ、ハイサ、ホプササ!
この国中で、老いも若きも知らぬ者がいない鳥刺しだ。
娘を捕まえる網が欲しい。
おいらは、自分のために娘を山ほど捕まえるのさ。
そうしたら、自分のところに閉じ込めて、娘はみんな、おいらのものになるだろう。

娘がみんな、おいらのものになったら、そうしたら、おいらは交換して砂糖を手に入れ、
おいらが一番、好きな娘、その娘に、すぐ、その砂糖をあげるだろう。
そして、彼女がおいらに優しくキスしてくれたら、
彼女はおいらの女房で、おいらは彼女の亭主だ。
彼女はおいらの傍で眠るだろう、子どものように揺すって彼女を寝かしつけるだろう。


●ヒアリングに使用したCD●
歌劇『魔笛』全曲(オトマール・スウィトナー指揮/シュターツカペレ・ドレスデン)



                             

2009年12月15日火曜日

Nr.74 「私は空しい鐘のこだまのように Ebben ? Ne andro lontana 」(歌劇『ワリー』第1幕から)


●解説●
愛する人との結婚を父に反対され、家出を決意したワリーが、美しい故郷に別れを告げる。

●難易度●



エッベン? ネ アンドロ ロンターナ
コーメ ヴァ レーコ デッラ ピーア カンパーナ
ラ フラ ラ ネーヴェ ビアンカ!
ラ フラ レ ヌービ ドル!
ラッドーヴェ ラ スペランツァ ラ スペランツァ
エ リンピアント エ リンピアント エ ドロル!

オ デッラ マードレ ミア カーサ ジョコンダ
ラ ヴァッリ ネ アンドラ ダ テ ダ テ ロンターナ アッサーイ
エ フォルセ ア テ ノン ファラ マイ ピゥ リトルノ
ネ ピゥ ラ リヴェドラーイ!
マイ ピゥ マイ ピゥ

ネ アンドロ ソーラ エ ランターナ
コーメ レーコ デッラ ピーア カンパーナ
ラ フラ ラ ネーヴェ ビアンカ!
ナンドロ ナンドロ ソーラ エ ロンターナ
エ フラ レ ヌービ ドル!

●日本語訳●
それでは、私は空しい鐘のこだまのように遠くに行ってしまいましょう。
白い雪の中に! 金色の雲の中に!
希望の嘆きとなり、悲しみとなるところに!

ああ、母の楽しい家よ、ワリーはお前から去って行きます。
お前からずっと遠く離れて、きっと、もう、お前のところには帰ってこないでしょう!

私は一人で、空しい鐘のこだまのように遠くに行ってしまいましょう。
白い雪の中に!
行ってしまいましょう、金色の雲の中に!


●ヒアリングに使用したCD●
歌劇『ワリー』全曲(ファウスト・クレヴァ指揮/モンテ=カルロ国立歌劇場管弦楽団)




2009年12月7日月曜日

Nr.73 「あの女性でも、この女性でも Questa o quella per me pari sono」(歌劇『リゴレット』第1幕から)

●解説●
宮廷に集まった女性たちを、マントヴァ公爵がリゴレットを相手に品定めして歌う。

●難易度●


クエスタ オ クエッラ ペル メ パーリ ソーノ
ア クアンタルトレ ディントルノ
ディントルノ ミ ヴェード
デル ミーオ コーレ リンベーロ ノン チェード
メッリオ ア ドゥーナ ケ ア ダルトラ ベルタァ
ラ コストーロ アッヴェネンツァ エ クアル ドーノ
ディ ケ イル ファート ネ インフィオーラ ラ ヴィータ
ソッジィ クエスタ ミ トルナ グラディータ
フォルセ ウナルトラ
フォルセ ウナルトラ ドマン ロ サラァ
ウナルトラ
フォルセ ウナルトラ ドマン ロ サラァ

ラ コスタンツァ ティランナ デル コーレ
デテスティアーモ クアル モルボ
クアル モルボ クルデーレ
ソル キ ヴォーレ スィ セルベ フィデーレ
ノン ヴァ モール ノン ノン
セ ノン ヴェ リベルタァ
デ マリーティ イル ジェローソ フローレ
デッリ アマンティ レ ズマーニエ デリード
アンコ ダルゴ イ チェントッキ ディスフィード
セ ミ プンジェ セ ミ プンジェ
ウナ クアルケ ベルタァ
アー セ
セ ミ プンジェ ウナ クアルケ ベルタァ

●日本語訳●
あの女性でも、この女性でも私にはどちらも同じさ
周りに見える、他の女性たちすべてと。

私はこの心の玉座を手放しはしない、他の美女を諦めて、一人の女性のために。
あれら女の麗しさは、天が人間の世界を飾るために下さった恵みのようなもの
今日、この女性を好ましいと思えば
別の女性のことを明日は、そう思うだろう。

節操、それは心を縛るものだ、
ひどい病気のようなものと忌み嫌おう。

そう望む者だけが、貞操堅固であればいい。
色恋はできない、心の自由なくして。
笑ってやろう、亭主の野暮な怒りや、色男の逆上を
アルゴスの百眼にだって挑んでみせよう、どこかの美女が私をその気にさせるなら。

●ヒアリングに使用したCD●
歌劇『リゴレット』全曲(リッカルド・ムーティ指揮/ミラノ・スカラ座管弦楽団)